今回は高校サッカー歴代の最高選手を選出しベストイレブンを考えてみました。
これまで選手権は90回以上開催されているなど、高校サッカーには長い歴史があるので、オールタイムで考えると全然まとまりません。
そこで、今回は平成年代に活躍した選手、その中でも選手権で活躍した選手に絞ってみました。
みなさん思い出の選手が選ばれているか…ご期待ください。
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高校サッカー歴代最高選手・GK
GKはプレーに加えて統率力のある選手が多いですね。
楢崎(奈良育英)もチームを選手権ベスト4に導く活躍でしたが、今回は選手権優勝チームの立役者を選出しました。
川口能活(清水商・1993年度)
この年度の清商は、堅い守備を活かした手堅い試合運びで選手権を制覇しましたが、守護神・主将としてチームを牽引したのが川口でした。
川口は身長180cmとGKとして決して大柄とは言えないものの、高いセービング力で相手FWのシュートをシャットアウト。また、若い頃は闘志を前面に押し出したプレーで守備陣を引き締めていました。
川口はその後Jリーグ(横浜)に進むと早々に正GKの座を獲得。
また日本代表にも定着し、アトランタ五輪での「マイアミの奇跡」、日本が初出場したフランスW杯から4大会連続でW杯メンバーに選出されるなど、長年にわたり日本代表の守護神として活躍しました。
高校サッカー歴代最高選手・DF
DFは統率力あるCBに有力選手が多いイメージです。今回選出した選手は全て選手権制覇を成し遂げていますが、やはり守備が安定しているチームはトーナメントに強いですね。
金古聖司(東福岡・1998年度)
金古は2年生の頃に高校3冠を達成した代でレギュラーを張り、3年生では主将としてチームを引っ張り選手権2連覇を達成しました。
東福岡は強烈なタレントを擁する攻撃陣に注目が集まりましたが、金古がCBとして安定した守備を見せたことがタイトルを獲得することができた要因でしょう。
金古は高い身体能力と戦術眼を合わせ持ち、1対1での激しい守備とDFラインの統率力で守備陣に安定感を与えました。そして攻めでは確かな足元の技術を活かし、正確なフィードや強烈なミドルシュートを見せました。
また、空中戦やセットプレーでも強さを発揮。DFながら2年生の選手権では得点王。
年代別代表でも中心選手であり、将来的な日本代表での活躍が期待されていましたが、度重なる怪我もあり、プロの舞台(高校卒業後は鹿島に入団)では大きな活躍ができませんでした。
羽田憲司(市立船橋・1999年度)
この年の市船は選手権で無失点優勝を達成。その堅固な守備の中心が、チーム主将を務めていた羽田でした。
CBとして1対1での堅い守備に加えて冷静なカバーリングやDFラインへの的確な指示も大きな武器。選手権では羽田に率いられた守備陣の前にどのチームも沈黙してしまいましたね。
羽田は世代No.1のDFとして2001年のワールドユースで主将を務めるなど、将来を嘱望されましたが、怪我による長期離脱などもあり、日本代表に選出されることはありませんでした。
岩下敬輔(鹿児島実業・2004年度)
鹿実が初の単独優勝を達成した2004年度の選手権。その中で、岩下は主将かつ守備の中心として圧倒的な存在感を発揮しました。
岩下は守備では3バックの中央に位置し、抜群の統率力とカバーリング、そして1対1での激しい守備など、DFに求められるプレーを高いレベルでこなしていました。
また攻撃では、足元の技術にも優れロングフィードで局面を打開し、セットプレーでは高い打点のヘディングでゴールを狙いました。
また、同大会の鹿実は危なげない試合運びを見せていましたが、岩下の闘志溢れるプレーとキャプテンシーに依るところも大きかったですね。
岩下はプロの舞台でもDFとして活躍を続けていますが、熱い闘志が空回りしてのラフプレーが玉に瑕です。
高校サッカー歴代最高選手・MF
日本人の優秀な選手が最も輩出されているのがMFではないでしょうか。
特に90年代は司令塔タイプの逸材が毎年のように出てきた印象です。
本来であれば小野(清水商)は外せないのですが、残念ながら選手権に出場していないため除外しました…。
中村俊輔(桐光学園・1996年度)
当時、神奈川でも新興校であった桐光が選手権で準優勝となりましたが、その快進撃以上に注目を集めていたのが、中村のプレーでした。
世代別代表に選出され、卒業後のプロ入りも決まっていた中村は相手も警戒していましたが、その中でも圧倒的な存在感を発揮。
左足から放たれる正確なパスで文字通り司令塔として攻撃を組み立て、またセットプレーでは精度の高いボールを配球してゴールを奪っていきました。
ひとつのプレーで決定機を生み出していく姿はまさにファンタジスタでしたね。
卒業後の活躍はみなさんご存知の通り。
左足の技術やイマジネーションに磨きをかけ、イタリアやスコットランドなど欧州の舞台でプレーすると共に、日本代表の10番としても長年の活躍を見せました。
左足から放たれるプレースキックの精度は世界でもトップクラスの評価でしたね。
CHECK中村俊輔のフリーキックランキング!凄さは?歴代スパイクについても
本山雅志(東福岡・1997年度)
同年度の東福岡は、史上初の3冠(総体、全日本ユース、選手権)制覇を達成した伝説のチームですが、その中で10番を背負い、攻撃陣の中心となっていたのが本山でした。
トップ下に位置し、ボールを受けると華麗なドリブルで相手守備陣を混乱させて、正確なスルーパスで決定機を量産。それらのプレーを実に簡単そうに見せるところにセンスの高さを感じさせました。
選手権の決勝では、雪中という最悪なコンディションの中、その環境を活かしたパスで決勝点をアシストしましたね。
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卒業後は鹿島に加入。10番を背負い、数々のタイトルを獲得。
また1999年のワールドユースでは、日本の10番としてサイドからドリブル突破でチャンスを量産する大活躍。チームの準優勝に大きく貢献し、大会ベストイレブンに選ばれました。
乾貴士(野洲・2005年度)
「セクシーフットボール」を標榜し、これまでの高校サッカーのイメージを覆すテクニックを前面に押し出した奔放なサッカーで衝撃を与えた野洲高校。その中心が当時2年の乾でした。
当時はサイドアタッカーとしてプレーし、ボールを受けると抜群のテクニックを活かし、積極的なドリブル突破でゴールに迫ると、ヒールパスやスルーパスなど意表をつくプレーでチャンスを創出。
選手権決勝でも、乾のドリブル突破からのヒールパスを基点とした連動性溢れるプレーで決勝点を挙げましたね。
卒業後、横浜に入団した当初は出場機会に恵まれなかったものの、C大阪への移籍でブレイク。Jリーグでの活躍を引っさげて欧州に移籍し、ドイツ、スペインといった世界トップのリーグにおいて、ドリブル突破や抜群のテクニックで存在感を示しました。
柴崎岳(青森山田・2009年度)
選手権準優勝となった青森山田において、柴崎は2年生ながら10番を背負い、チームの大黒柱としての存在感を発揮していました。
柴崎はセントラルミッドフィルダーとしてプレー。正確な技術と判断力、視野の広さを武器に、司令塔として攻撃陣を操っていきました。
また先輩が多い環境でも動じることなく自分のプレーを見せることができる、メンタルの強さや冷静さも魅力的でしたね。
柴崎は同大会の直後、卒業の1年以上前という異例の早さで鹿島への加入が内定。
プロ入り後は、プレーに磨きをかけると共にゴールへの意識の高まりを見せるなどの成長を見せ、鹿島をクラブワールドカップ準優勝に導いた後、スペインリーグへと移籍を果たしました。
高校サッカー歴代最高選手・FW
FWはなんらかの得点記録を残した選手を選びました。
高校サッカーは組織的な守備というよりも1対1の争いといった感じですので、強烈な個の力を持つFWはゴールを量産できる傾向にあると思います。
平山相太(国見・2003年度)
平山は当時、黄金時代に突入した国見で1年から出場を果たし、ゴールを量産。
そして迎えた3年の選手権、大会前にはワールドユースに飛び級で参加してゴールを決めるなど、大きく成長した平山は高校年代では規格外の存在となっていました。
決勝を含めてゴールを決め続け、史上初の2大会連続得点王に輝き、チームを優勝に導きました。
その圧倒的なプレーから「怪物」と称されることに。
平山は190cmの長身で空中戦で絶対的な強さを発揮すると共に、足下のテクニックも非凡なものがあり、強烈かつ正確なシュートでゴールを奪いました。
高校生では、ペナルティエリアでボールを受けた平山を止めることは無理でしたね。
日本待望の大型フォワードとして日本のサッカーファンから大きな期待を寄せられていた平山ですが、高校卒業後は大学進学、オランダリーグ挑戦、1年で帰国してJリーグ、と若干の迷走を見せたこともあり、周囲の期待に応えられるほどの成長を見せたとは言い難いですね…。
大前元紀(流経大柏・2007年度)
この年度、流経大柏は全日本ユースと選手権の2冠を達成し、名実共に市船と千葉2強を形成するようになりました。そんなチームの中で、大前は史上初の3大大会全てで得点王を獲得するなど、数々のゴールで貢献していました。
大前は身長167cmと小柄ですが、俊敏な動きで相手マークを剥がすと、正確なシュートを放ちゴールを量産。
また、ストライカーとしての得点感覚にも優れ、チャンスが生まれる場所を察知してボールを引き出していました。
高校卒業後は清水に加入し、チームのエースに成長。ドイツに移籍するも出場機会に恵まれないという挫折もありましたが、Jリーグでトップクラスの決定力を武器に活躍しています。
大迫勇也(鹿児島城西・2008年度)
同大会を通じて、大迫は1大会での最多ゴール記録を更新する10ゴールを挙げるなど「ハンパない」プレーでチームを準優勝に導きました。
大迫は正確なボールコントロールと恵まれた体格を活かしたポストプレーやアシスト、ドリブル突破など、攻撃に求められるプレーが全て高校年代では突出したクオリティでした。
その中でも一番の魅力はやはり驚異的な決定力。
厳しいマークを受けても正確なトラップとキレのあるドリブルで簡単に剥がし、チャンスと見るや正確なシュートでゴールを襲いました。
またポジショニングにも優れ、ゴール前でのダイレクトシュートも得意としていましたね。
大迫は卒業後、鹿島でプレー。Jリーグ屈指のフォワードに成長すると活躍の場をドイツに移し、世界トップクラスのリーグで活躍を見せています。
高校サッカー歴代の最高フォーメーション
高校サッカー歴代の最高フォーメーションは中盤ダイヤモンドの3-4-3にしてみました。
守護神・川口の前に金古、羽田、岩下という1対1の守りとカバーリングの両方に優れたCBが3枚並ぶ守備陣は、この4人だけでも鉄壁といえるはず。
守備的な中盤に入った柴崎は、守備の場面では正確なポジショニングで相手パスコースを消して、攻撃では強烈なタレントを操るゲームメイクに期待。
中村、本山、乾の攻撃的な中盤は個人技だけでなく戦術眼にも優れているので、柔軟にポジションチェンジしながらイマジネーション溢れるプレーを見せてくれるでしょう。
そして前線の3枚にボールが入れば、それぞれが独力でゴールを奪えますが、基本的には平山はポストプレー、大前は相手を剥がすポジショニングを中心に攻め、大迫はより幅広くプレーに関与していくイメージです。
最後に
以上、高校サッカー歴代の最高選手をまとめてみました。
高校サッカーは今回挙げた選手を含め、個性的だったり一芸に秀でた選手が多いですね。
近年は優秀な選手がJユースに流れがちですが、高校サッカーも負けじと頑張ることで、日本サッカーのレベルが底上げされるはず。これからも日本サッカーを盛り上げる選手達を輩出してほしいです。
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