カタルーニャ・サッカー

今回は2017年10月1日にカタルーニャ自治州の住民投票で独立選挙が行われ、90%が賛成となった件についてサッカーへの影響も問題視されていますね。

そんなわけで、独立問題とクラシコの歴史的な意味を解説!

またカタルーニャではクラブ以上の存在であるFCバルセロナのリーグ移籍問題について紹介しますので後までご覧ください!

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カタルーニャの独立問題とクラシコを解説

レアルマドリード対バルセロナの対決はエル・クラシコと呼ばれ、世界中のサッカーファンから注目される試合となりますが、スペイン人にとっては、クラシコはただのサッカーが強いチーム同士の対戦というわけではないんです。

そこで、歴史的な背景からクラシコとカタルーニャ独立問題を時代を遡ってざっくりですが解説していきます。

スペイン王位継承戦争から始まったカタルーニャへの弾圧

1700年からスペイン王の継承権をめぐり西ヨーロッパ諸国は戦争を始めます。

現在のスペイン(実質的にはカスティーリャ王国)とフランス連合軍がカタルーニャのバルセロナを包囲したことで、このスペインの王位継承戦争は1714年に終幕。

その後、スペイン王国はカタルーニャを平定して自治権を取り上げ、カタルーニャ語の使用禁止、大学は廃止されました。

ちなみにバルセロナの試合では1700年代を忘れないという意味で前半17分には独立を訴える歌が必ず歌われますので未だにこのときからの火種があるんですよね。

19世紀末にはカタルーニャ・ルネサンスと呼ばれる文芸復興運動が起こり現代カタルーニャ語が復活。

この頃、バルセロナは海に近く、海産物が豊富でフランス、イタリアとの貿易も盛んな港町としてスペイン最大の商業都市に成長。

スペインでの産業革命はバルセロナを中心に起こり、カタルーニャは経済的に繁栄していきます。

そのため、カタルーニャ語を公用語とした高度な自治が認められてきました

しかし、1930年から始まるフランコ独裁政権によりカタルーニャの自治権をはく奪されていき、カタルーニャ語は再び使用禁止となります。

スペイン政府はマドリードの中央集権体制を確立するため言語、民族の多様性を認めない立場をとったわけですね。

首都マドリードはフランコ独裁体制で手厚い優遇を受け権益が集中。

レアル・マドリードもフランコ独裁政権時代以前からスペイン王朝の恩恵を受けていましたが(レアルはスペイン語で王朝という意味)フランコ独裁政権時代はレアルマドリードだけを露骨に政府が強化。

スペインの国策で強くなったレアル・マドリードと言語を取り上げられたバルセロナとの対決はエル・クラシコ(伝統の一戦)と呼ばれるようになります。

クラシコでは11-0でレアル・マドリードが勝ったり、審判がレアルマドリード贔屓になるなどの事件があり単なるスポーツの試合ではなく権力対反権力の「代理戦争」としての色を濃くしていきます。

また、フランコ独裁政権下ではカタルーニャ語で堂々と話すことが出来たのがサッカースタジアム内だけでした。(取り締まることが不可能だった)バルセロナの応援歌として有名なイムノは当時、カタルーニャ語で歌うことが出来た唯一の歌だったから愛されてきたんですね。

カタルーニャ語の歌詞の意味はグラウンドは大歓声に包まれている私たちはブラウグラナ(バルサの愛称)どこから来たかは問題じゃない南でも北でも私たちは知っている、私たちは知っている一つの旗が団結させることを 風にはためくブラウグラナの旗力強い叫びを生む私たちの名前は世界中にとどろく、

バルサ! バルサ! バルサ! 選手とファンがひとつになって強くなる苦しい時もあった熱狂したゴールもあった歴史が証明している、歴史が証明している誰も私たちを屈服させることはできないと風にはためくブラウグラナの旗力強い叫びを生む私たちの名前は世界中にとどろくバルサ! バルサ! バルサ!

こうしてFCバルセロナはスペイン人ではなくカタルーニャ人としてのアイデンティティを取り戻すための存在としてカタルーニャ人にとっての象徴となっていったわけです。

民主主義化がもたらしたもの

その後、イムノの歌詞のとおり独裁政権とカタルーニャへの抑圧は終わりを迎えます。

1975年にフランコが他界。

1978年に憲法が制定されてスペインは民主主義国となりました。

カタルーニャ語の使用は許可され、自治権も拡大していきましたが、フランコ独裁体制時のカタルーニャ弾圧、マドリード優遇の影響は現在まで根強く残ることとなります。

例えば、カタルーニャが多額の税金をスペインに納めているにも関わらず社会保障レベルの低さ、インフラ整備は他の地域より遅れるなど不平等な扱いは明らかなものでした。

スペイン政府によるカタルーニャ民族を軽視する発言も相次いでいました。

カタルーニャはスペイン政府に対して不満を溜めて行き、独立運動へと発展していきます。

2017年10月1日にスペイン警察の妨害に合いながらも住民投票が実施されず、多数の投票箱がスペイン警察に持ち去られた為に、正式な数字は分かりませんが、結果は90%以上が独立賛成という結果になりました。

投票箱の持ち去りと独立反対派が投票を棄権したため投票率は40%と低かったこととスペイン憲法自体に独立に関して明記されていないので住民投票は無効であるとスペイン政府は主張しています。

というわけで住民投票の結果の通りにカタルーニャが独立国として認められるのかはまだ分かりませんが、カタルーニャ独立住民投票の結果を受けてFCバルセロナとエル・クラシコはこれまで以上に政治的な意味を持つことになるでしょう!

カタルーニャの独立問題でFCバルセロナの所属リーグはどうなる?

カタルーニャの独立問題で


FCバルセロナがリーガ・エスパニョーラで見れなくなるかもしれない

という可能性も出てくるわけです。

カタルーニャの住民投票での独立賛成多数の結果を受けて、FCバルセロナのバルトロメウ会長は

「カタルーニャ自治州が独立した場合、どのリーグでプレーするか決断しなければならない」

とスペインリーグ脱退を示唆。

スペインリーグのハビエル・テバス会長は

「スペイン・リーグに参加するクラブは、スペイン国内のクラブでなければならない」

カタルーニャからスペインが独立した場合はFCバルセロナ、エスパニョールなどカタルーニャ州の4チームがスペインリーグの参加資格を失うといていますが、年間の収入が約1000億円あるFCバルセロナの商業的な価値を考えるとリーガ・エスパニョーラにとってはバルセロナがいなくなるという事態はなんとしても防ぎたいでしょう!

FCバルセロナがプレミア参戦もある?

バルセロナがリーガ・エスパニョーラから抜ける場合に


プレミアリーグに参戦するのでは?

という期待も高まっています。

バルセロナ州のスポーツ大臣、ジェラール・フィゲラス氏は

「独立に傾いた場合、プロフェッショナル・クラブは決断を迫られるだろう。要はどのリーグでプレーしたいのかを示さなければいけない。スペインなのか、他の国なのか。イタリア、フランス、あるいはプレミアリーグなのか」

とコメントし、他国リーグへの参加をほのめかしています。

水面下ではいろいろな駆け引きがすでに始まっているのかもしれませんね。

可能性が高いといわれているのはプレミアリーグフランス・リーグアンです。

プレミアリーグはイングランド以外にも、ウェールズのスウォンジーシティが参加しています。

世界最大の放映権料(3年間で1兆円)を誇り、莫大な外資も取り込むグローバルなリーグに成長したプレミアリーグは、FCバルセロナを放って置かないでしょう!

フランスリーグアンもフランスとバルセロナがカタルーニャと国境を接することと、既にモナコ公国のASモナコがリーグに参加していることからFCバルセロナが所属先を変えて最も違和感がないリーグと言えますし、フランスリーグアンも既にバルセロナにオファーしているとの情報もあります。

ちなみにカタルーニャ語はスペイン語よりもフランス語に近い言語ですから

フランスリーグへの参加の障壁は大きくないでしょう。

最後に

いかがでしたか?

今回はカタルーニャの独立選挙とFCバルセロナへの影響についての特集でした。

日本のメディアでは経済的に豊かなバルセロナが他の地域の税負担を逃れるために、自分勝手に独立選挙をしたという伝えられ方をしていましたが、カタルーニャの独立問題は300年以上続いていて、歴史的な経緯を踏まえたうえで、この独立問題は考える必要があると思います。

この独立問題に関してFCバルセロナがどのような動きをするのか注目です!